意拳について
中国の武術は種類が非常に多く、歴史は悠久である。中国国家体育運動委員会の最新統計によると、全国には千種類近い武術門派と数百種類の拳法があるという。こんな大海原のように
広い武林の中で、中国だけでなく世界の武術愛好家に注目され、 好まれる素朴無華な新星がある。その拳の名は意拳である。
中国武術というと、自然に少林寺や武当山の拳法、太極拳、 八卦掌、形意拳等の内家拳、また各種外家拳を連想するが、意 拳はそのどちらにも単純に属さないい。それは内家拳である形意拳の基礎の上に、他の拳法の長所を得て、独自に一派を打ち建
てた近代的な拳法学であるからだ。 意拳の訓練はルールと特定の形がない。主にイメージを運用
し、それが拳法全体に貫かれる。これは中国武術史上において 極めてまれな拳法である。
現在、世界各国の科学界、医学界は、みな積極的に人間のイ メージおよぴ人体にはどれだけの潜在力とエネルギーがあるか という古くも新しい課題について研究開発している。
意拳の創始者王郷斎先生は70年前に拳術の極めて豊富な研究 の結果から新しい見解を会得した。それは、精神のイメージと 人体エネルギーの開発を理想的に拳術に運用していくことであ
った。意拳はこうして誕生した。これによって中国武術史上に 新たな一章がつづられたといえよう。意拳は精神のイメージと 人体に対する自己認識に大きな前進をみた。意拳の誕生は単に
拳術の改革だけではなく、科学、医学の学術研究面にも大きな貫献をしたのである。
意拳は格闘技としてすぐれているだけではなく、健康養生の面でも成果がひときわ高い。主に、高血圧、神経衰弱、呼吸器系統、胃腸系統、関節炎(リウマチ性関節炎)、肝臓病、心臓病、半身不随、眼科などに村して、よい治療効果がある。
現在、意拳はすでに中国各地に広(伝わっているばかりでなく、近年来、東南アジア、香港、欧米にも伝わっている。